2025年7月、米証券取引委員会(SEC)はグレースケール社が申請したバスケット型暗号資産ETF「GDLC ETF」を一時承認したものの、その直後に差し止め命令を発令し、上場を一時停止した。グレースケール社はこの差し止め命令を「不当」と主張し、法的異議申し立てを検討している。
この一連の動きは、多様な暗号資産を含むETFの規制枠組みが未整備である現状を浮き彫りにし、日本の仮想通貨投資家にとっても重要な意味を持つ。
GDLC ETFとは何か?その特徴と狙い
GDLC(Grayscale Digital Large Cap Fund)は、米グレースケール社が運用する主要暗号資産のバスケット型ファンドである。主にビットコイン(BTC)を中心に、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)など複数の主要暗号資産に分散投資している。
このファンドは従来のクローズドエンド型からETF(上場投資信託)への転換を目指している。ETF化が実現すれば、投資家は証券取引所でリアルタイムに売買が可能となり、流動性や透明性が大幅に向上すると期待されている。
これは伝統的な金融市場からの資金流入を促す要因となるだろう。
なぜSECは承認を差し止めたのか?
SECはGDLC ETFの承認を一旦出したものの、翌日に「Stay Order(差し止め命令)」を発令し、上場を一時停止した。この背景には、特にXRPやADAなど複数のアルトコインが含まれている点が挙げられる。
SECは、より広範な暗号資産ETFの規制枠組みの整備を優先しているとみられる。個別のアルトコインに対する法的な位置付けが不明瞭な現状では、包括的な承認には慎重な姿勢を示しているのだ。
この判断は、今後の多様な暗号資産を含むETFの承認プロセスに大きな影響を与える可能性がある。
グレースケールの反発と市場への影響
グレースケール社は、SECの差し止め命令を「不当(unlawful)」と強く批判している。同社は過去にもビットコイン現物ETFの承認を巡りSECと法廷で争い、勝訴した経緯があるため、今回も法的手段を辞さない構えである。
この対立は、米国における暗号資産規制の不透明さを改めて浮き彫りにした。GDLC ETFの上場遅延は、投資家が複数の主要暗号資産に手軽に分散投資できる機会を一時的に奪うことになる。
しかし、SECがアルトコインの規制明確化を進めるきっかけとなる可能性も秘めている。
日本の投資家にとってのGDLC ETF
日本の投資家がGDLC ETFに投資するには、まず米国の証券取引所(NYSE Arca)での正式な上場が必須となる。上場後は、米国の証券会社を通じて通常の株式やETFと同様に購入可能となる見込みである。
現時点では、グレースケールのクローズドエンドファンドとしてのGDLCを購入するか、個別の暗号資産に投資する方法が現実的だ。投資に際しては、ETFの構成銘柄、手数料、そして米国における規制リスクを十分に理解し、信頼できる証券会社を選ぶことが極めて重要である。
まとめ
グレースケールGDLC ETFの承認停止は、暗号資産市場の成熟に向けた産みの苦しみを象徴している。SECとグレースケール社の法廷闘争の行方は、今後のアルトコインを含むETFの普及に大きく影響するだろう。
規制の明確化が進むことで、より多くの機関投資家が参入し、市場全体の健全な発展に寄与することが期待される。日本の投資家は、米国の規制動向とGDLC ETFの正式上場時期を注視し、慎重な投資判断が求められる。
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